日本霊長類学会

高島賞の制度変更について

日本霊長類学会理事会

日本霊長類学会会員の皆さま、

平素、本会の運営にご助言、ご協力ありがとうございます。

この度、理事会では、高島賞の受賞要件、および対象期間の特例、受賞者人数と副賞賞金について、変更することを決定しました。以下がその概要です。
なお、改正規定および細則は、2021年7月31日に施行して2022年度受賞分から適用する予定です。今後2回分の公募(2020年度と2021年度受賞分)を現行規定で行いますのでご注意ください。

・現行の高島賞規定細則
・改正後の高島賞規定細則


高島賞は、創設以来、若手研究者に研究成果を内外に積極的に発表することを促進するために、優れた著作に対する論文・著作賞のかたちをとってまいりました。しかし、近年、論文を含む著作の発表にかかる制約は大きく軽減され、若手研究者も多くの著作を発表するようになりました。一方で、分野や研究者によっては、論文や著作の発表スケジュールには大きな差が見受けられます。博士学位論文を数編の論文に分け短期間に集中して発表する方がいる一方で、研究分野によっては大学院在学中からコンスタントに発表する方もおられます。過去2年間に限った著作だけでは、優秀な若手研究者を顕彰しきれなくなりました。また、キャリアパスが多様化しつつある近況に鑑みると、「若手」研究者を年齢で定義するのも一定の限界が見えてきました。理事会は、以上の問題意識をもとに、慎重な審議のうえ、受賞要件等を以下のように変更することを決定しました。

1. 選考対象期間および年齢制限について
分野による研究成果発表のスケジュールの差異や多様化しつつあるキャリアパスに対応するため、選考対象となる著作の発表期間および選考対象者の年齢制限を、以下のように変更しました。下線は、改正部分。

[旧]
第2条 学術奨励賞は毎年過去2年間に発表された霊長類に関する優れた著作(論文ないし著書)の著者を対象とする。
第3条 学術奨励賞の対象者は、著作発表時に満35歳以下の本会正会員であり、過去に本賞を受けていない本会正会員とする。

[新]
第2条 高島賞は博士の学位を未取得もしくは取得後3年未満の期間、かつ本会正会員である期間に、霊長類に関する優れた著作を発表した著者を対象とする。
第3条 高島賞の対象者は、応募の年の3月末日において、博士の学位を未取得もしくは取得後4年未満であって、過去に本賞を受けていない本会正会員とする。

新第3条がやや分かりにくいかもしれません。高島賞の募集が3月末日に締め切られるために、学位取得後3年経過した直後の募集まで応募できるようにするための規定です。


2. キャリアパスの多様化への対応
多様化しつつあるキャリアパスに対応するため、選考対象期間および年齢制限について、以下の特例を定めました。現行規定には当該の定めはないので、第4条として以下の規定を新設しました。なお本規定案は、日本学術振興会海外特別研究員-RRA制度を参考にしています。

[新]
第4条 第2条および第3条の規定にかかわらず、博士の学位を取得後に以下のいずれかによる研究中断等の期間が通算90日以上ある場合には、その期間を博士の学位を取得した後の期間に含めない。以下のいずれにも当てはまらない事由の場合は、高島賞選考委員会で可否を審議して決定する。
(1)申請者本人又は配偶者の出産又は育児
(2)申請者本人の療養
(3)家族の看護、介護
(4)結婚に伴う転居による辞職(辞職時の職が常勤職に限る。)


以下、旧第4条から第8条までを、新第5条から第9条とする。


3. 受賞人数と副賞賞金について
現行規定では、毎年原則1名と定めています。しかし、2名が受賞する場合も多く、その場合賞金総額30万円を均等配分する規定となっていることから、一人当たりの賞金額が半額となります。そこで、「原則1名」の定めを「2名以内」と変更します。それにともない、一人当たりの賞金を15万円に統一しました。下線は、改正部分。

[旧]
第4条 毎年原則として1名(最大2名以内に賞状および賞金30万円を授与する。ただし該当者のない年は授賞を行わない。複数名受賞の場合は賞金を均等に配分する。

[新]
条 毎年2名以内の受賞者それぞれに、賞状および賞金15万円を授与する。ただし該当者のない年は授賞を行わない。

以上

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