日本霊長類学会

【イベント】私大・地方大ですすめる霊長類学(自由集会)


第41回日本霊長類学会早稲田大会において、以下の自由集会を開催いたします。ハイブリッドで行いますので、大会に参加されない方もぜひご参加ください。
なお、この自由集会は、前枠で行われる自由集会「博士/修士人材の多様なキャリア形成−霊長類研究経験者が語るリアルな仕事の話−」(https://primate-society.com/news/250629-1.html)とも連動しております(zoomリンクは同じ)。2つ続けての参加もぜひご検討ください。


「私大・地方大ですすめる霊長類学」
日時:7月11日(金)15:30~17:30
場所:早稲田大学国際会議場第一会議室およびZoom(接続情報は当日までにこのページに掲載します)


<要旨>
日本の霊長類学は、長らく京都大学などいわゆる研究大学の研究者の主導で進められてきた。一方、近年基礎分野の研究者を取り巻く環境は厳しさを増しており、霊長類学も例外ではない。常勤の研究ポストは削減され、ポストをめぐる競争は激しくなっている。若手が将来に希望を見いだせず、霊長類研究の継続を諦める状況も生じている。日本の霊長類学の研究レベルや国際的なプレセンスを維持するために、若手学会員が安心して研究を続けられるポストの確保は急務である。学会として政府への働きかけを継続することはもちろん大切だが、同時に常勤職についている会員が若手会員にキャリア形成に有益な情報を提供し、彼らの就職をサポートすることも必要だろう。

本自由集会は「霊長類学を展開する場」としての私立・地方大学を若手会員に認識してもらうことを目的に開催する。私立・地方大は「研究設備/研究資金」「大学院生数」「学務の負担」などの面で、研究大学に比べ研究環境として不利だと見なされがちである。そのような一面は否定できないが、私大・地方大で教鞭をとる教員は、それぞれの職場で霊長類学に関する研究・教育を活発に行っており、さまざまな工夫をして自らの研究環境を整えている。海外調査を継続し、業績をコンスタントに出している教員もいる。大学と
周辺自治体との関係が深いことから、農作物被害など地元の問題に特化した研究を展開できる可能性もある。また、研究者を目指さない学生への研究指導・教育は、霊長類学のすそ野を広げることにつながり、そこに教育者としての意義を見出すこともできる。

本集会では私大・地方大で教鞭をとる会員が、それぞれの環境における教育・研究の現状について説明したのち、集会参加者から異なる視点のコメントをお願いする。本自由集会が、キャリアパスのひとつとして私立大・地方大に興味をもつ機会になることを望む。

竹ノ下祐二 「学部教育における霊長類学」
菊池 泰弘 「地方大医学部での霊長類学のすすめかた」
辻 大和  「地方私大における霊長類研究」 
*コメンテーター数名を予定
 総合討論


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