功労賞贈呈式が執り行われました(2025/7/14 掲載)
早稲田大学にて開催された第41回日本霊長類学会大会において、2025年7月12日に、功労賞贈呈式が執り行われました。
<受賞団体>
・富津市
・高宕山自然動物園管理運営協議会
<受賞の理由>
富津市および高宕山自然動物園管理運営協議会は、緊密な協力のもと、ニホンザ
ルの餌付けから施設開園に至り、老朽化や台風被災、さらにはニホンザルとアカ
ゲザルとの交雑といった多くの困難を乗り越え、長年にわたり飼育および施設の
運営を継続してきた。両団体の関係者の尽力により、ニホンザルによる農作物被
害や人身被害の防止、被災施設の復旧・再建、交雑個体への適切な対応などが実
現されている。
日本霊長類学会は、高宕山自然動物園を単なる施設としてではなく、全国的な野
猿公苑の問題の一例として重要視し、その解決と教訓の共有に意義を見出してい
る。加えて、高宕山自然動物園の飼育群について交雑がない状態を実現した。ニ
ホンザルの保全は、まず生息域内保全を押し進めるべきであるが、それが困難な
場合の拠点、すなわち房総半島における「生息域外保全施設」としての役割を果
たし得ることも高く評価している。
当学会は2013年の第29回大会において自由集会「千葉県の外来種アカゲザル問題
を考える」を開催し、2020年には「高宕山自然動物園における飼育展示施設の再
建に関する要望書」を提出した。最近の富津市および高宕山自然動物園管理運営
協議会の対応(新設檻建設、交雑対策等)は、こうした学会の働きかけに対応し
た形となっている。
よって、長年にわたる野猿公苑の餌付け問題への対応、普及教育活動の推進、高
宕山自然動物園の再建への尽力、さらには交雑対策の実施に深く敬意を表し、
富津市および高宕山自然動物園管理運営協議会に一般社団法人日本霊長類学会功
労賞を授与する。
功労賞の詳細については
こちら をご覧ください。