【イベント】日本人類学会進化人類学分科会2024「人類進化論におけるボノボ研究のインパクト再考」
日本人類学会進化人類学分科会2024「人類進化論におけるボノボ研究のインパクト再考」
日時:2024年10月13日(日)16時から18時
場所:梅田スカイビルタワーウエスト22階会議室
※日本人類学会大会のシンポジウムとして開催しますが、学会員以外の参加も可能です(分科会のみの参加は無料です)
研究会趣旨:
人類進化論では、長年「チンパンジーモデル」が優先的に検討されてきたため、ボノボ研究のもたらす人類進化への貢献については議論が散発的になりやすかった。そこで、今回の分科会では、日本におけるボノボ研究が50周年を迎えた機会に改めて、ボノボ研究がもたらす人類進化論へのインパクトを検討してみたい。現在、ボノボ研究は多様な広がりを見せており、今回は、野生ボノボの社会生態学的な研究のみならず、遺伝学や飼育ボノボの認知科学からの話題も提供する。チンパンジー中心主義が人類進化論で優勢であったのは、チンパンジーがボノボよりも昔から多くの研究がされてきたこと、また、チンパンジーのダークサイドの知見が、人類進化論における攻撃性や男性優位主義と結びつけられやすかったこと、さらにボノボがメスの優位や生殖以外での性行動の使用など、他の霊長類にはほとんど見られない特殊な性質をもち、一般的なモデルに当てはまりにくいことも理由としてあげられるだろう。しかし、共通祖先から分岐後に特殊な性質を進化させてきたのがヒトであり、ボノボとヒトには、収斂的な進化の道筋も考えることが可能である。今回の研究会をとおして、ボノボ研究の広がりをもとに、改めて多くの分野での人類進化モデルの見直しにつながるような議論を盛りあげていきたい。
オーガナイザー:鈴木滋(龍谷大学)・徳山奈帆子(中央大学)
話題提供者:徳山奈帆子(中央大学)・石塚真太郎(福山大学)・狩野文浩(コンスタンツ大学)・古市剛史(京都大学)
コメンテーター:諏訪元