功労賞贈呈式が執り行われました(2024/7/15 掲載)
東京エレクトーンホール宮城にて開催された第40回日本霊長類学会大会において、2024年7月13日に、功労賞贈呈式が執り行われました。
<受賞の理由>
松岡氏は、獣医師であり、動物写真家として、北国の豊かな自然に魅せられ、世界最北限のサルの棲む青森県むつ市脇野沢村(下北半島)に在住し、今日まで毎年一年の半分以上の日々、サルの群れと共に山野を歩き、のびやかでしたたかに生きるサルの姿から新しいニホンザル像を求めて撮影に取り組んでいる。
下北半島の特定の群れを長期継続調査するとともに、夏と冬の2回、全国から調査員を募集・組織し、むつ市を中心に北限のサルの生息状況に関する広域調査を実施している。また、北限のサルの保護と猿害問題の解決に、長年にわたり継続して尽力し、脇野沢村、むつ市、青森県宮城県などで、さまざまな保護管理組織に、責任者ないし委員として参加している。NPO法人ニホンザルフィールドステーションを立ち上げ、その事務局長として、現在も活躍中である。本会への貢献も極めて大きく、多くの会員に下北半島のニホンザルの基礎的情報を提供してくださったり、宿舎等生活面での世話をされたり、国際霊長類学会大会のエクスカーションで、現地での対応に当たられた。学会の保護委員会(現、保全・福祉委員会)と協働し、下北半島のつけ根にあたる野辺地の市外地に放棄され、北限のサルとの混血が憂慮されたタイワンザル集団の全頭捕獲・駆除に尽力し、成功させたことは、特筆すべき成果である。
松岡氏の、これまでの下北半島でのニホンザル研究と保全活動への貢献に感謝し、一般社団法人日本霊長類学会功労賞を授与する。
功労賞の詳細については
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左:伊沢紘生第40回大会大会長 右:功労賞を贈呈された松岡史朗氏