【イベント】動画配信:Withコロナの時代に考える人間の「ちがい」と差別 ~人類学からの提言~(2020/10/23 更新)
現在、シンポジウムの動画がYouTubeで配信されています。
https://www.youtube.com/watch?v=DwVjpDx-NQQ&feature=youtu.be
【以下、2020年9月24日に本ホームページに掲載した情報です。】
日本学術会議の公開シンポジウム「Withコロナの時代に考える人間の「ちがい」と差別 ~人類学からの提言~」が開催されます。
日時:2020年10月11日(日)14:00 ~16:00
開催地:オンライン開催
対象:どなたでも参加できます
参加費:無料
参加申込:10月9日(金)までに事前申込が必要
参加申し込みフォームなどの詳細については以下のページをご覧ください。
http://www.scj.go.jp/ja/event/2020/297-s-1011.html
趣旨:新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックの中、社会の各所で、他者や他集団に対する差別や排除が表面化しています。その象徴的な出来事として、米国での黒人暴行死をきっかけにブラック・ライブズ・マター(BLM)運動が世界中に広がりましたが、このような差別は全ての社会に潜む、私たち一人一人の問題です。この古くて新しい問題に、私たちはどう向き合うべきなのでしょうか? 人間の「ちがい」とは何か? 差別解消に近づく糸口はあるのか? 人間が人間として共有すべき価値観とは何か? 本シンポジウムでは、こうした人間の「ちがい」と差別をめぐる問題について、文理両サイドの人類学者が一堂に会し、考えます。
プログラム
14:00 開会あいさつ:山極壽一*(日本学術会議 前会長)
14:10 第一部 講演 司会:窪田幸子*(神戸大学)
横浜中華街から考えるゼノフォビア(外国人嫌悪) 陳天璽(早稲田大学)
健康希求行動が生み出す差別 増田研(長崎大学)
感染症と人類 −ゲノム研究の視点から 徳永勝士*(国立国際医療研究センター)
BLM運動から考える身のまわりの人種差別 竹沢泰子*(京都大学)
差別をどう乗り越えるのか −人類史の視点から 海部陽介(東京大学)
15:20 第二部 パネル討論 司会:高倉浩樹**(東北大学)
パネリスト:山極壽一* 中谷文美*(岡山大学)斎藤成也*(国立遺伝学研究所)松田素二*(京都大学)
16:00 閉会
*日本学術会議連携会員 **日本学術会議会員
主 催:日本学術会議 地域研究委員会、文化人類学分科会、多文化共生分科会
基礎生物学委員会・統合生物学委員会合同自然人類学分科会
後 援:日本文化人類学会、日本人類学会
協 力:科研費基盤(S)「人種化のプロセスとメカニズムに関する複合的研究」
お問合せ:jinruisympo*gmail.com (2020人類学合同シンポジウム組織委員会)(*を@に変更)
【登壇者プロフィール】
海部陽介 東京大学総合研究博物館教授。専門は人類進化学。主に化石や遺跡出土人骨の形態解析から、人類の進化や過去の社会について研究している。関連業績に『サピエンス日本上陸 3万年前の大航海』(講談社、2020)、『日本人はどこから来たのか?』(文藝春秋、2016、古代歴史文化賞)など。
窪田幸子 神戸大学大学院国際文化学研究科教授。日本文化人類学会会長。専門は文化人類学。オーストラリア先住民アボリジニの人々を中心に、主流社会との関係性の変化について研究している。主業績に『「先住民」とはだれか』(編著、世界思想社、2009)、『アボリジニ社会のジェンダー人類学』(世界思想社、2005)など。
斎藤成也 国立遺伝学研究所教授。専門は人類進化学、ゲノム進化学。特にヤポネシア人(日本列島人)の起源をさぐっている。単著に『核DNA解析でたどる日本人の源流』(河出書房新社, 2017)、 『日本列島人の歴史』(岩波ジュニア新書、2015)など。
高倉浩樹 東北大学東北アジア研究センター教授。専門は社会人類学。北極域の文化生態や気候変動に加えて、東日本大震災以降は災害研究も行っている。主業績に『震災復興の公共人類学』(編著、東京大学出版会、2019)、『総合人類学としてのヒト学』(編著、放送大学教育振興会、2018)など。
竹沢泰子 京都大学人文科学研究所教授。専門は文化人類学、とくに人種・マイノリティ理論、移民研究。関連業績に『人種神話を解体する』(全3冊、編集責任、共編著、東京大学出版会、2016)など。ブラック・ライブズ・マターについてのメディア・動画発信は、「竹沢泰子研究室」ホームページ。
陳天璽 早稲田大学国際学術院教授。専門は文化人類学、移民研究。特に華僑華人、無国籍者に注目。著書に『無国籍』(新潮文庫、2012)、『華人ディアスポラ』(明石書店、2001)など。
徳永勝士 国立国際医療研究センター・プロジェクト長。専門は人類遺伝学、ゲノム
医学。多因子疾患に関わる遺伝要因の全ゲノム探索、アジア系諸集団のゲノム多様性と意義。関連業績に「遺伝子解析研究の新時代」別冊『医学のあゆみ』(医歯薬出版、2019)「遺伝子研究でヒトの健康は変えられるか?」、東京大学医学部健康総合科学科編『社会を変える健康のサイエンス』(東京大学出版会、2016)など。
中谷文美 岡山大学大学院社会文化科学研究科教授、グローバル・ディスカバリー・プログラム・ディレクター。専門は文化人類学、とくに労働とジェンダー、ワーク・ライフ・バランス、伝統染織の生産と消費をテーマに調査している。関連業績に『小さな民のグローバル学』(共著、上智大学出版、2016)、『オランダ流ワーク・ライフ・バランス』(世界思想社、2015)など。
増田研 長崎大学多文化社会学部/熱帯医学・グローバルヘルス研究科准教授。専門は社会人類学、アフリカの医療と福祉研究。関連業績に「エチオピアの社会福祉:多様性のなかの高齢者ケア」(牧野久美子・岩崎えり奈編『新世界の社会福祉 第11巻 アフリカ/中東』旬報社、2020)『フィールドの見方』(梶丸岳・椎野若菜との共編著、古今書院、2015)など。
松田素二 京都大学大学院文学研究科教授。専門は社会人間学。東アフリカ地域を中心に、諸民族間の対立と共生の技法について研究している。主業績に『改訂新版・新書アフリカ史』(編著、講談社、2018)、『紛争を収める文化』(編著、京都大学学術出版会、2016)など。
山極壽一 日本モンキーセンター博物館長、日本学術会議前会長、京都大学前総長。専門は霊長類学、人類進化論。アフリカ各地でゴリラの行動や生態をもとに初期人類の生活を復元し、人類に特有な社会特徴の由来を探っている。著書に『ゴリラからの警告―人間社会、ここがおかしい』(毎日新聞出版、2018)、『家族進化論』(東京大学出版会、2012)など。