2009年7月18日(土)〜7月20日(月・海の日); 中部学院大学各務原キャンパス
大会3日目(7月20日)午後に、公開シンポジウム「母親〜サル学と子ども学のクロスディスカッション」を開催します。参加申込はいりません。どなたでもご参加いただけます。ヒトとサルの母親について、サル学の知見と子ども学の知見をあわせ、議論を深めたいと考えています。多数のご参加をおまちしています。
(画像をクリックすると詳細チラシのPDFファイル(13MB)が開きます)
現在、「母親」が揺らいでいます。生活様式の急激な変化や 多様化により、母親たちが自らの「あるべき姿」を見出すことが困難になっています。他方、さまざまな「あるべき姿」が提示される中、その「あるべき姿」にな れず悩む母親も増加しています。そのため、母親の育児をめぐる悩みは深刻化し、そ れが時には育児放棄や虐待、子殺し等の問題として顕在化しています。
現代の母親はどうあるべきなのでしょうか。さまざまな分野の研究者、実践者たちが、議論していますが、なかなか答えは見えてきません。
日本の霊長類学は、ヒトを含めた霊長類の研究を通じ、人類社会の進化、人間の 本性を解明することをその目的の一つとしてきました。母親の行動・社会関係・心理・ 母子間相互作用といった問題に関しても、フィールドワークに基づく野外研究、 実験室での心理学的研究、生殖生理といった諸領域からの多くの研究の蓄積があ ります。
「子ども学」は、「子ども」およびその周辺領域に関する、総合的な新 学問分野です。それは、発達心理学、保育学、小児科学、教育学といった、既 存の学問分野の枠組みを超え、子どもという存在を総合的に捉え、「子ども理解」 を基本に、発達障害や子育て支援といった現代的問題にもとりくむ領域です。
そこで本シンポジウムでは、まず霊長類学の立場から、ヒトの 母親をめぐる議論にあらたな論点を提示しようと思います。次いで、そうした論点をどのよ うに発展させてゆくことができるか、子ども学の立場から検討します。ふ たつの学問領域をクロスさせた討論を通じ、現代の母親問題を解きほぐす糸口を 探りたいと考えています。