学会活動

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2007年1月4日

千葉県知事
堂本あき子 殿
日本霊長類学会会長
山極 壽一

千葉県に生息するアカゲザル等の防除に関する要望

 貴職におかれましては、ますますご清祥のことと存じます。

 さて、平成17年6月から「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」が施行され、アカゲザルが特定外来生物に指定されました。それをうけて、貴県は、房総半島南部に生息するアカゲザルとニホンザルの交雑個体群を効果的に排除する方針を掲げ、法に基づく防除実施計画を検討中と承っております。アカゲザル等の排除事業は、千葉県房総ニホンザル地域個体群の保護管理にとって不可欠なだけでなく、千葉県における生物多様性の保全にも大きく寄与します。日本霊長類学会は、霊長類の保護を学会設立目的の一つとしており、貴県の取り組みを高く評価いたします。

 「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」では、科学的な知見の充実による、的確かつ効果的な施策を推進する重要性が強調されています。和歌山県で野生化したタイワンザルの除去事業において、私どもは長年にわたり和歌山県に協力し、生息実態調査を実施するとともに調査捕獲個体からの科学的知見の収集、分析を行なっております。日本の固有種であるニホンザルと近縁外来種との交雑問題の最終的解決には、捕獲個体からの科学的情報の収集や長期的で粘り強い除去の取り組み、さらに隣接する房総ニホンザル地域個体群に対する広域モニタリングが不可欠です。

 そのため、日本霊長類学会は、千葉県に生息するアカゲザル等の排除において、以下の3 点を要望するとともに、これらの達成に協力を惜しまないことを表明いたします。


以上

要望項目
  1. アカゲザル等の除去事業において、効果的な施策を長期的に継続すること。
  2. 房総ニホンザル地域個体群へのアカゲザル遺伝子の浸透の有無について長期的なモニタリングを継続すること。
  3. アカゲザル等の捕獲個体からの科学的な知見の収集および分析が、事業の効果的な推進に必要不可欠であることを強く認識し、科学的知見の充実に積極的に努めること。

 なお、日本霊長類学会は、貴県の研究機関および関係者に協力し、捕獲個体から科学的知見を収集して事業に利用できるよう、協力を惜しまないことを表明いたします。

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