学会活動

トップページへ戻る


2007年1月12日

環境大臣
若林正俊 殿
日本霊長類学会会長
山極 壽一

千葉県に生息するアカゲザル等の防除に関する要望

 貴職におかれましては、ますますご清祥のことと存じます。

 さて、平成17年6月から「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」が施行され、アカゲザルが特定外来生物に指定されました。それをうけて、千葉県は、房総半島南部に生息するアカゲザルとニホンザルの交雑個体群について、法に基づく防除実施計画を策定し、効果的な防除を図るという方針を立て迅速な取り組みを行なっております。

 「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」では、科学的な知見の充実による、的確かつ効果的な施策を推進する重要性が強調されています。和歌山県で野生化したタイワンザルの除去事業において、日本霊長類学会は長年にわたり和歌山県に協力し、生息実態調査を実施するとともに調査捕獲個体からの科学的知見の収集、分析を行なっております。

 現在千葉県は、本法律にもとづく防除計画を策定中ですが、これは特定外来種に指定された霊長類を対象とする日本で最初の防除事業になります。私どもは千葉県に対して、この事業において、長期的な取り組み、捕獲個体からの科学的情報の収集と分析、および房総ニホンザル地域個体群に対する遺伝子交雑の長期的モニタリングを実施するよう要望しております。また、千葉県内の研究機関および関係者と連携をとり、捕獲個体からの科学的知見の収集および分析に協力することを表明いたします。

 日本の固有種であるニホンザルと近縁外来種との交雑問題の最終的解決には、捕獲個体からの科学的情報の収集、長期的で粘り強い取り組み、そして関係するニホンザル地域個体群での広域モニタリングが不可欠です。  そのため、日本霊長類学会は、環境省に対し、以下の2 点を要望いたします。


以上

要望項目
  1. 日本の固有種であるニホンザルと近縁外来種との交雑問題の最終的解決には、長期間の広域モニタリング体制の整備が必要不可欠であることを強く認識し、国として実施すべき必要な施策を検討し、実行すること。
  2. 科学的知見を充実し、効果的で長期的なアカゲザル等の防除事業を継続できるよう、千葉県に対して国が行なえる財政的、技術的支援などを検討し実行すること。

要望書・意見書のトップページへもどる