自然史学会連合講演会体験教室に学会からブース出展(2017/9/23掲載)

 

平成29年度自然史学会連合講演会 体験教室

日本霊長類学会 サルとヒト、からだとうごきを学ぶ

平成29年8月19日に平成29年度自然史学会連合講演会「瀬戸内海の自然史」が大阪市立自然史博物館にて開催され、同時に自然史学会連合加盟学協会による体験教室が行われた。そのうち、日本霊長類学会のブースを大阪大学大学院人間科学研究科行動生態学講座比較行動学研究分野および生物人類学研究分野が中心となり「サルとヒト、からだとうごきを学ぶ」というタイトルで出展した。
その体験教室の概要について、次年度以降の担当者への参考という意味も含めて簡単に報告する。

準備

体験教室開催の依頼を受け、当日までに数度の会合を持ち、内容について取りまとめた。
事前の準備として、体験教室に用いる資料、器材、展示用ポスターなどを前日までに揃え、当日の朝に搬入した。会場にて使用する机、椅子、ポスター掲示用ボード等は、事前に会場担当者に連絡し、用意していただいた。ただし、会場の下見は行わず、机の配置やポスターの掲示等については当日、現場にて決定した。

当日担当者:
中野良彦(責任者)、中道正之、山田一憲、後藤遼佑、石川大輝(以上、霊長類学会会員)、
設樂哲弥(非会員)

出展内容

次の2つの内容を体験教室で実施した。

1.ニホンザル親子の顔識別(写真1)
来場者に、親子関係のある5組のニホンザルの顔写真(子どもの方も成体となってからのもの)を親子関係が分からないようバラバラにして提示し、親子の組合せを選んでもらうという年齢の低い子どもたちでも参加しやすいクイズ形式の体験実習を行った。
その後、ニホンザルは個体ごとに顔は異なるが、親子間では顔が似ており、フィールドのサル研究者はそれらを手がかりに個体を識別していることを説明した。


写真1

2. 四肢骨長の計測(写真2)
6種の霊長類 (チンパンジー、オランウータン、シロテテナガザル、ジョフロイクモザル、ニホンザル、オオガラゴ)の骨格標本(京都大学霊長類研究所より借用)を展示し、その四肢長骨の骨長と来場者自身の上肢・下肢長を計測し、肢間示数 (前肢長/後肢長) を求め、その数値をもとに、映像や写真を使いながら各霊長類の移動様式を説明し、前後肢の長さが移動様式と関連することを説明した。


写真2

その他、それぞれの体験内容に関連したポスターを作成、掲示した(写真3)。準備するものとして、上記した資料以外に、筆記具、記録用紙、テープメジャー、電卓、記念スタンプ、土産用絵はがき、景品用のサル型消しゴムなどを用意した。


写真3

 

来場者

ブースは盛況で多くの来場者があった。その大半は、小学校入学前から小学校低学年の子どもを連れた家族であった。11時から17時までの出展で、上記の2つの体験それぞれについてほぼ同数の約130名の来場者があった。
ニホンザル親子の顔識別の体験については、子どもたちは真剣に考えて、答えを出していた。大人の来場者も同様に答えたが、子どもの正解率の方が高い傾向にあった。また、ニホンザルの群れでの生活や子育ての様子などの説明に興味を示すことが多かった。
骨計測の体験で一番多かった反応は、展示した骨が本物の骨標本であることに対してで、普段触れる機会のない骨の表面の質感や形態の構造に大きな興味を示していた。時間の節約を考えてノギスやキャリパーなどの計測器具を使わずにテープメジャーによる簡便な計測を行ったが、それを用いて四肢骨の長さだけでなく骨の周径を測り始めるなど意欲的に取り組む子どももいた。

資料

講演会要旨集および講演会チラシは、自然史学会連合のHPからダウンロードできる。